全日本ラリー選手権第6戦 ラリー北海道

High Performance Brakes

全日本ラリー選手権第6戦 ラリー北海道

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全日本ラリー選手権第6戦
ラリー北海道
7月11~13日 北海道十勝地方
スペシャルステージ本数:18本(うち3本キャンセル)
スペシャルステージ総距離:230.80km(うち63.93kmキャンセル)
ラリー総距離:約1200km
SS路面:グラベル
SS路面状況:1日目ウェット、2日目ドライ
北村和浩が全日本ラリー初優勝
梅雨末期の不安定な大気が日本列島を覆った週末、ラリーはその気まぐれな天候に翻弄されるかのように、荒れた展開となった。
雨の金曜日のあと、土曜日は晴れで明けた。路面が急速に乾くと見たクルーはドライ用タイヤをチョイス。少なくとも最初の周回はウェットのままと見たクルーはウェット用を選んだ。小手調べともいえる2.73kmのSS1リクベツでは、霧雨の中、ウェット用を履いた北村和浩がまずベストタイムを奪取。インプレッサGRBのグラベル用サスペンション熟成のため第5戦を欠場し、満を持してこのラリーに乗り込んだ北村にとっては、幸先のよいスタートとなった。
本格的な林道ラリーはSS2から。ここで奴田原文雄が順当にベストタイムを刻み、北村を0.1秒差でかわしてトップに躍り出た。しかし奴田原は、SS3がキャンセルとなったため次の競技区間となったSS4で、早くもマシントラブルからコース上でストップ、あえなくラリーを終えてしまった。
そのSS4では、SS2でバーストしたときに電気系統にトラブルを生じたという石田雅之がベストタイムを奪う。しかし石田雅之はその後もトラブルに悩まされてタイムが安定しない。また前戦からエボ10にスイッチした田口幸宏は、SS2でマシントラブルから12分も遅れ、すでに優勝戦線から脱落していた。
1回目のサービスを終えたSS5では、今季すでに2勝をあげている石田正史が、遅ればせながらこのラリーで初めてのベストタイムを記録し、巻き返してく るかと思われた。だが直後のSS6で石田正史はパンクに見舞われ、7分をロス。また、ポイントリーダーの勝田範彦はエンジン不調とのことでタイムが低迷し ている。
そんな中、SS1のあとベストタイムはないものの、淡々と好タイムを刻んだ北村が、奴田原の脱落以降1位の座をキープ。それに続くのは、全日本ラリーに スポット参戦している岩下英一と大嶋治夫という2人のベテランだ。激しい雷雨のためSS7、8がキャンセルされた結果、SS6終了時点の順位が DAY1(※脚注参照)の順位となった。1位が北村、16.2秒差で岩下英一、その11.4秒差で大嶋治夫、さらにその7.1秒差で石田雅之が続く。勝田 はすでにトップから56.3秒落ちの6位、また、石田正史はそこから6分以上も遅れている。
明けてDAY2は、前日とはうって変わった晴天。昨日の豪雨がウソのように、林道はほとんどドライとなった。荒れた路面を得意とする岩下が徐々に遅れだ し、代わって、石田雅之が浮上してくる。焼け石に水ながらもベストタイムを連発する石田正史にセカンドベストで追随し、この日3本目のSSを終えた時点で岩下を抜いて2位に上がった。
しかし北村も落ち着いたもので、石田雅之との差をにらみつつ確実に走りきれるペースを維持しているかのようだ。DAY1終了時に34.2秒あった石田雅之との差は、この日の10本のSSのうち半分の5本を終えた時点で21.6秒になったが、このペースでいけば逃げ切れるという勝算も同時に見えてきた。
2巡目となったSS14以降も、北村は同じペースを維持して石田雅之の接近を許したが、これも計算どおりか。SS18を走りきった時点で差は7.4秒に まで縮まったもの のそこまで。北村がラリー本格参戦3年目にして念願の初優勝を達成し、今季デビューしたインプレッサGRBに全日本でのグラベル初勝利をもたらした。3位 には大嶋治夫が入り、岩下は4位に後退。勝田は最後まで調子が上がらないながらも5位に入って堅実にポイントを稼いだ。DAY2の10本のSSのうち8本 でベストタイムを記録した石田正史は、8位まで順位を戻してフィニッシュした。
荒れた路面でサバイバルラリーの様相が色濃く出たJN2クラスは、トップ争いをしていた平塚忠博と田中伸幸がラリー終盤になって相次いでマシントラブル からリタイア。関根正人がJN2クラスでの初勝利を飾った。JN1.5クラスは、すでにSS4終了時点で残ったのは大庭誠介と大井こずゑの2台のみ。大井 に3分近くの差をつけていた大 庭がSS15でコースアウトし、大井が全日本ラリー初優勝を手に入れた。
※注:国内ラリー規則では「レグ」と呼称されている区切りが、今年からのFIAラリー一般規則では「DAY」となったため、国際規定にもとづいて構成され ている今回のラリーのアイテナリーでは「DAY」を使用しています。したがって、このレポートでも「DAY」と表記しています。
<ここまでJRCAの結果レポートより転載>
【全日本選手権】
総合順位
1.北村和浩(GRB)
2.石田雅之(CT9A)
3.大嶋治夫(CT9A)
4.岩下英一(CT9A)
5.勝田範彦(GRB)
6.星野博(CT9A)BRIG(Front:Gp.N Rear:RH)