全日本ラリー選手権第9戦 M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ

High Performance Brakes

全日本ラリー選手権第9戦 M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ

総合優勝の勝田範彦インプレッサJN3クラスは村瀬太シビックFD2が今季初勝利JN2は山口清司レビンが今季2勝目
全日本ラリー選手権第9戦
M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ
10月3~5日 岐阜県高山市
スペシャルステージ本数:12本
スペシャルステージ総距離:70.78km
ラリー総距離:294.06km
注:上記のうちSS2本約13kmがキャンセル
SS路面:ターマック
SS路面状況:ドライ
勝田範彦が今季5勝目
今年で36回目を迎えたこのラリーは、過去に舗装SSの比率が高まったこともあったが、「カーブレークラリー」という異名が示すように、やはり勝負のカギは過酷なグラベル路面をどう攻略するかにかかっていた。それだけに、どちらかといえば新人よりもベテランが強みを発揮するラリーであったといえよう。今回初めて、すべてのSSがターマック路面に置かれたことは、このラリーに幾分の変化をもたらしたようだ。
ここまでのシリーズ展開と出場者の顔ぶれからすれば、SS1から石田正史ランサーと勝田範彦インプレッサの2台がしのぎを削る戦いを繰り広げるというのはほぼ予想どおりだった。ただし、すでにチャンピオンを決めた勝田よりも、1つでも多く勝ち星を稼いでシリーズ2位を確実にしたい石田正史のほうが、勝利への意欲が高かったのか。SS4では勝田と同秒ながら、SS5までは石田が5連続ベストタイムを奪う。
しかし石田はSS4でマフラーを傷めたことから徐々に失速。SS7終了時点で勝田に逆転され2位に落ちた直後、エンジントラブルからリタイアすることになってしまった。また3位につけていた奴田原文雄ランサーも、ミッショントラブルからSS6では総合11位のタイムに沈み、SS7を走らずして戦線離脱した。
すでに横尾芳則ランサーがSS1でクラッシュして姿を消しており、石田も奴田原もいなくなったSS8終了時点で勝田と2位島田雅道ランサーとの差は1分以上。ここからは勝田の一人旅となるが、いっぽうで注目を集め始めたのが新人の高山仁ランサーだった。
昨年のKYOTO南丹ラリー、新城ラリーに続いて全日本ラリー出場はまだ3度目の高山は、スタート順もかなり後方。このため、SS1ではゼッケン17番のアクシデントによるステージ中止のあおりを受け、走らずして16番までの最下位タイムを与えられてトップから約30秒落ちの惨憺たるスタートを切った。しかし、SS2以降は徐々にペースをつかみ、SS5では総合5番手、SS6では3番手タイムをたたき出し、順位をぐんぐん上げてきた。
ラリーが進むにつれてますます調子が出てきた様子の高山は、SS8で2度目の3番手タイムを記録して4位に、SS9で2番手タイムを出して3位まで浮上した。SS10、SS12がキャンセルされたためSS9に続いて最終SSとなったSS11も勝田に次ぐセカンドベストであがったが、ここでラリーは終了。最初の30秒を取り戻すには至らず、2位島田に約15秒差の3位に落ち着くかに見えた。
しかし競技終了後に審査委員会から勝田、島田、そしてJN2クラスの小野寺に対し、林道途中に設定されたシケインに接触したことにより30秒のペナルティが与えられたため、高山が島田を逆転して2位に。今回はJN4クラスの出走者が少なかったとはいえ、3度目の全日本ラリーでの2位獲得は大金星と言えよう。
リタイア車が続出したJN4クラスとは対照的に、JN2クラスは出走した10台がすべて完走、しかもそのうち9台が総合6位から総合14位を占めるという非常にレベルの高い戦いとなった。その激戦を制したのは、シーズン開幕から圧倒的なスピードを見せてきた山口清司レビンで、今季2勝目。チャンピオン争いでは着実にポイントを稼いできた村田康介ブーンが圧倒的に有利だが、完走すれば優勝か2位の山口にもまだ僅かながらチャンスは残っている。
JN3クラスは村瀬太シビックFD2が今季初勝利JN3クラスは村瀬太シビックFD2が今季初勝利。タイトル争いは、前戦までシリーズリーダーの森博喜MRSが3位に入り、シリーズ2位の岡田孝一セリカがリタイアしたため、森の王座獲得が濃厚になってきた。
JN1.5クラスは榊雅広コルトが大庭誠介コルトに約18秒の差をつけて優勝。榊は今シーズン完走した5戦はすべて優勝しており、ポイントは100に達したが、大庭が112ポイントを稼いで依然リードしている。ただし有効7戦という規定があるため、最終戦で榊が勝てば、榊がチャンピオンとなる。
JN1クラスは西山敏シティが今季2勝目JN1クラスは西山敏シティが今季2勝目。前戦までシリーズリーダーだった廣瀬康宏がリタイアし、シリーズ2位だった明治慎太郎が今回2位に入ったため、このクラスのチャンピオン争いは混沌としてきた。
<ここまでJRCAの結果レポートより転載>
総合順位
1.勝田 範彦 BRIG
2.高山 仁
3.島田 雅道
4.徳尾 慶太郎
5.村瀬 太 BRIG
6.山口 清司 BRIG
7.福永 修 BRIG
8.眞貝 知志 BRIG
9.関根 正人
10.田中 伸幸
クラス順位
JN4
1.勝田 範彦 BRIG
2.高山 仁
3.島田 雅道
JN3
1.村瀬 太 BRIG
2.曽根 崇仁
3.森 博喜 BRIG
JN2
1.山口 清司 BRIG
2.福永 修 BRIG
3.眞貝 知志 BRIG
JN1.5
1.榊 雅広
2.大庭 誠介
3.難波 巧
JN1
1.西山 敏 BRIG
2.明治 慎太郎
3.綾部 美津雄
JN1.5を除きBRIG勢が上位を独占です! 選手の皆さん、スタッフの皆さん、そして応援してくださった皆さん、ありがとうございました。